お母たまと私 -母と娘の脳卒中リハビリ日記 外伝-
2004年2月に脳卒中(脳出血) で倒れ右片麻痺になった母と私の七ヶ月間にわたる リハビリの記録と、それからの事。
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母の怒り
2006年 07月 11日 (火) 10:54 | 編集
「個室に移りましょう」
杖でPTリハビリを始めて少し経った頃、OTの先生が言われました。
「ちょうど個室が空きましたし、トイレが付いているので
 これから杖でトイレに行く練習をして頂くのにも都合がいいです」
PTリハビリはリハビリルームから病室前の廊下に移っていました。
退院まで二ヶ月をきって
本格的に、帰宅後を見据えたリハビリが始まるのだと思いました。
母も“状態の良い人が入る個室”をすすめられて嬉しそうでした。

個室に移った日の午後
OTの時間に早速母は、先生と一緒にベッドから部屋のトイレまで杖で行きました。
PTリハビリで廊下を毎日歩いているので、特に問題無くトイレまで行けました。
そこから用を足す動作も。
「これからはOTの時間に毎日、私と杖で部屋のトイレに行く練習をしましょう」
OTの先生からも合格点を貰いました。

次の日の朝、私が病室に行くと、母は不機嫌でした。
昨夜、部屋にトイレが付いているにもかかわらず
これまでと同じように、ポータブルトイレで用を足すように看護師さんに言われ
部屋のトイレに行かせてもらえなかったそうでした。
「歩いて行きたいと言った訳じゃない。
 車椅子で部屋のトイレに行くから付いていてくれと言ったのに
 ダメだと言われた」
との事でした。
私と一緒の時に、車椅子で部屋のトイレに行くのは、もちろん許可されています。
これまでも何ヶ月間も、私が一人で病室から少し離れた場所にある
トイレに連れて行っていたのですから、当然です。
OTの先生が来られたら聞いてみようと言う事で、私はその場を収めました。
ところが、母はOTの時間まで待てませんでした。

「おかしいっ!どうして部屋にトイレが付いているのに、行っちゃいけないの。
 トイレ付きの部屋に移った意味が無いっ!
 どうしてトイレがあるのに、ポータブルでしなきゃいけないの!
 行っちゃいけないなら、なんで個室に移したの!」
PTの先生にぶちまけてしまいました。
私も初めて見る母の姿でした。まるで発作のように怒りまくっていました。

これまで母は、不機嫌や怒りといった感情が無いかのごとく
大人しく静かで、一切病院のスタッフに文句を言った事はありませんでした。
私にさえ病院側の不満を言った事は、ほとんどありませんでした。
若いPTの先生はビックリして、しどろもどろでした。
「○○さんのお気持ちはよく分かりました。
 そうですね。トイレが付いている意味が無いですね。
 OTに確認してみます」

結果的には母の要望通り、夜もスタッフ見守りの上で
車椅子で部屋のトイレに行って良い、という事になりました。
OTの先生が、夜のトイレについての指示を変更していなかったため
スタッフがポータブル使用を固持したようでした。

母がこんなにも、ポータブルトイレを嫌がっているという事を
この日まで私は全く知りませんでした。
“こんなにも、普通のトイレに行く事にこだわっているなんて”
“ポータブルは夜だけだったのに”
“それでも嫌だったんだ”
“だからあんなに、個室に移るのを喜んだんだ”

「昨日は私どうかしてたの。ゴメンネ」
次の日、母はPTの先生に謝りました。
「昨日はビックリしました。でもこれからも嫌なことがあったら何でも言って下さい」
無事仲直りができました。


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Comment
この記事へのコメント
解るような気がします
この時のお母さんの気持ち。。。
解るような気がします
リハビリを頑張っている人は皆、少しでも早く普通に生活できるようになりたいと強く願いながら毎日を送っているんですよね
その思いがあるから、頑張れる。

施設や病院との折り合いも難しいけど、
その思いは大事にしたいですね
2006/ 07/ 11 (火) 14: 57: 31 | URL | ウルル # L1ch7n1I[ 編集 ]
>ウルルさん
私も本当に驚きました。
生まれて初めて見る母の姿だったから。
やはり、普通のトイレに行くというのは
もの凄くこだわりたい事なんだなーと思いました。

そう言えば、先割れスプーンも母は嫌がりました。
ウルルさんのおっしゃる通り、早く普通に生活したいと強く願っていたんだろうなー。
2006/ 07/ 11 (火) 22: 55: 35 | URL | wool # -[ 編集 ]
お母様、素晴らしいですね。
ホントとっても良い事だと思います。
理解ある看護師さんなどは、そういったお母様の“意思”を非常に敏感に感じて励ましてくれますよね。
リハの充実ぶりが伺えました(^^)
2006/ 07/ 12 (水) 01: 01: 09 | URL | カズP # -[ 編集 ]
>カズPさん
カズPさんこんにちはー。
誉めていただいてありがとうございます。
母は転院直後、夜トイレの時に転んで頭を打っているし
PTリハビリでも転んだので、看護師さんは皆
わりと慎重でした。

こう書いていて、母は案外おてんばなんだと気が付きました。ヘタレなのにな…
2006/ 07/ 12 (水) 10: 37: 13 | URL | wool # -[ 編集 ]
お母様の気持ち、私も同じでした。
入院中、まだ車椅子に乗りなれていない頃
平日は出来る限り乗っていなさいと言われ
貧血になりそうなのを堪えながら乗っていましたが、
土日は車椅子に乗ってはダメと。
こちらのやる気があるのに・・・と悶々とした事もありました。

お母様の場合はさらに、トイレというデリケートな話ですものね。
でも、希望が通って良かったですね。
怪我なさいませんように、慎重に頑張ってください、お母様♪
2006/ 07/ 12 (水) 18: 59: 52 | URL | tomocof # -[ 編集 ]
>tomocofさん
平日にはやらせて土日はダメなんて、辛いですね。
病院側の都合ですよね。
やる気が空回りしちゃいますよね。
患者には土曜も日曜も無いのに。必死なのにね。

母はちょっと抜けてる所もあるので
tomocofさんのおっしゃる通り、慎重に頑張らせます。



2006/ 07/ 12 (水) 23: 19: 44 | URL | wool # -[ 編集 ]
woolさん、お久しぶりです。お母様が、そこまで感情を強く出されたこと、
おれ、ちょっと感動しちゃいました。周囲には、なかなかそこまでの
キモチを汲み取ってあげることができませんよね。なんとなく
根拠のない「そういうもの」っていう気持ちになってしまったりして。

で、これも、回復へのすばらしい第一歩なのだと思いました。
2006/ 07/ 13 (木) 15: 30: 27 | URL | scallops # 1/Tnkcgo[ 編集 ]
>scallopsさん
scallopsさん、こんばんはー。
そうなんです。私も全く母の気持ちに気が付きませんでした。
知っていたら、私がとっくに病院側にねじ込んだものを…
あんなに爆発するなんて、ずっと遠慮してたんだと思います。
「看護婦さんはものすごく忙しい。夜は人が少ない」
と言っていましたから。

欲望こそが人間を前に進ませますね。
この頃になって母もやっと、欲望というものが出てきたのかも知れません。
2006/ 07/ 13 (木) 21: 15: 16 | URL | wool # -[ 編集 ]
こんばんわ!
やっと少しだけ自分の時間です。

woolさんのお母さん、頑張ったですね~。気持ちも身体も。
自分の想いが伝えられたら・・全てはそこから始まるんでしょうかね。

私の母も・・家族以外には本当に今でも気を使ってます。
調子が悪いのかなぁと思うような日でも、通所リハやディに行く時は、車椅子の座り方も、違います。
家族以外の人の前では気合入れて座っています。
ドッチが本当なのかわかんない感じで・・。
無理して欲しくない反面、頑張ってると嬉しいし。
頑張って欲しかったはずが・・無理させてるのかなぁって辛くなってしまったり。
なかなか気持ちが定まらず、結構四六時中見るってのもシンドイです。
なんて・・本人が一番しんどいんだろから、泣き言はダメですね。

ゆっくりと、ゆっくりと・・・。「いつか・・」を信じて生きたいです。
2006/ 07/ 15 (土) 00: 00: 00 | URL | 久美子。 # -[ 編集 ]
>久美子。さん
わーい。
久美子。さん、こんばんはー。
始まりましたねー。バーちんさんとの生活がe-415

バーちんさんも色々と遠慮されていたようですね。
のどが乾いても我慢されていたり、トイレのこととか。
病院に入院して、他人のお世話になるって事は
そんなに気を使うものなのかと、正直驚きました。

無理させているのかと心配になる気持ち、良く分かります。
でも久美子。さんも、バーちんさんのために一生懸命なんだし
バーちんさんも自分のために、家族のために
きっと一生懸命なんだと思いますし
その気持ちだけで、十分なんじゃないかなーと思いますよー。

えー私は、ネットででも泣き言を言える久美子。さんが
ちょっぴり羨ましいですー。
私は結局、誰にも言えてませんでしたねー。
旦那もいないし…
友達にもなんとなく、つよがり言ってたし…
二年たってこのブログを始めて、やっと本当の気持ちが言えたかなー?
と思う今日この頃です。
2006/ 07/ 15 (土) 22: 59: 21 | URL | wool # -[ 編集 ]
看護師とリハ技師の連動が
悪いのでしょうね~。看護師は看護が楽な方を採ったような気がします。
入院中の日常生活の動作もリハの一環ですから、医師、リハ技師の意見が優先のはずです。ポータブルで、同室だとやはり、音(受け器がプラスチックだと余計)も響きますし、匂いもしますから、する方もやりづらいだろうと思いました。部屋が、比較的回復のいい方の部屋の方に移るというのは、本人にも家族にも励みになるものでした。
2006/ 07/ 16 (日) 23: 04: 52 | URL | タケノコ # -[ 編集 ]
>タケノコさん
そうそう。
看護師さんたちはやはり、楽な方、昨日までやっていた事をしますよね。
そういう事もあるだろうとは思います。
でも母の言うとおり、トイレのある部屋でポータブルを使うのは、変ですよね。
私自身は、そんなに病院に対して不満は無かったのですが
母は色々あったんだろうな。言わなかったけど。
と思い出す今日この頃です。
2006/ 07/ 17 (月) 10: 38: 29 | URL | wool # -[ 編集 ]
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